ノーベル平和賞
本当に今年は暑い夏でしたね。秋になっても暑さは続き、先週訪れたシカゴでは、10月というのに汗ばむほどでした。10 月7日のシカゴマラソンでは多くのランナーが熱中症で病院に運ばれ、お気の毒に亡くなった方もおりました。これもやはり地球温暖化が関係しているのですかね。
昨日、ノーベル平和賞が元アメリカ副大統領のアル・ゴア氏に授与されました。彼の映画“不都合な真実”には、多くの皆さん同様私も感銘を受けました。現ブッシュ大統領と戦った2000年の選挙で“不思議な”負け方をして国政の舞台から去ったものの、講演や著作、映画を通して、“役職に頼らない”彼自身のやり方で啓蒙活動を続けていました。ずっと昔からライフワークとして国際環境問題に地道に取り組んできたことが大きく評価されて本当に素晴らしいことだと思います。目先の利益や周りの情勢によって座標軸がぶれることなく、自分の信じることを地道に貫くことの大切さを今一度感じ入っている次第。
前置きが長くなりましたが、私達の開発するメディシノバのパイプラインにも最近明るい材料が続いています。
まず一つめは、先週のプレスリリースでも発表いたしましたが、MN-221のフェーズ2の結果です。これ以上はないというくらいの良好な結果が得られました。意外と思われるでしょうが、最近はアメリカでの喘息による死亡数はエイズによる死亡数よりも多いんです。エイズの原因であるHIVに対する研究が進み優れた治療方法が開発されたおかげです。しかし昔からある喘息の急性発作に対する治療は目立った進歩がないのが実情です。急性発作時に確実に注射で投与できるβ2アドレナリン・レセプター作動薬MN-221は、毎年5千人近くいる喘息による死亡患者さんをかなり救えるようになるはずです。
それから二つめの明るい評価は、多発性硬化症のMN-166。以前にもブログやプレスリリースでご報告しましたが、10 月12日に行われたプラハの多発性硬化症の国際学会で成果を発表いたしました。 フェーズ2試験で認められたMN-166の神経保護効果に対する関心が高く、同じ時間帯に他の会場で幾つも別の発表が行われているにも関らず、学会参加者の半数以上が我々の成果発表を聞きに会場に集まりました。プレスやインダストリーからの問い合わせが増えていい意味で忙しい時間が続いています。
ということで、ゴア氏を見習って、ぶれることなく地道に我々の信じる道を進んでいきます。
久しぶりのブログでした。
10月13日
岩城裕一