A: こんにちは。チーフ・メディカル・オフィサーの松田和子です。
6月16日にお知らせしたオピオイド依存症でのスタディの論文掲載のプレスリリースに関して、論文内容は、6月15日に行われたアメリカ薬物依存症学会(CPDD)での発表内容と同じなのですか?という問い合わせを複数頂いたので、少し補足説明したします。
まず15日のCPDDでの発表内容は、現在進行中のオピオイド依存症患者さんのスタディの中間解析の報告で、掲載論文は学会発表とは異なるスタディです。
本試験の中間解析データに関しては、既に昨年8月19日のプレスリリースでお知らせしております。またその結果に基づいて、NIHの傘下機関NIDAから、追加の助成金供与を受けたことも昨年9月7日のプレスリリースでお知らせしました。本治験は現在も進行中ですので、中間解析以降の患者さんについては、データはblinded のままで、最終的なデータの解析は本治験が完了するまで行われません。6月15日のCPDD学会発表は、治験チームから学会という公の場で発表であったものの、昨年の中間解析プレスリリースに比して目新しい内容ではないため、特に改めて学会発表に関しするプレスリリースは行いませんでした。
同じ治験チームによる過去のスタディの論文掲載に関するプレスリリースが学会発表時期と重なったため、少し混乱させてしまうことになったようです。
論文に発表された最初のスタディは、オピオイド依存症の患者さんにおける麻薬からの禁断症状に対する効果を低用量(40mg/日)と高用量(80mg/日)のイブジラストとプラセボで比較するものでした。このスタディでイブジラストには用量依存性の効果が示唆されました。このスタディの結果を基に、現在進行中のスタディではプラセボと比較するイブジラストの用量を100mg/日と設定し、その効果について、麻薬からの禁断症状だけではなく、麻薬への渇望欲求度や麻薬使用による自覚症状(例:どの位高揚感が得られるかなど)、麻薬系鎮痛剤の効果(痛みに対する閾値や忍耐度など)など、最初のスタディよりも、もっと踏み込んで評価をするスタディデザインとなったのです。
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