A : 一概に“薬物依存症”と言っても、それぞれの薬物によって人体に及ぼす影響は異なりますし、もちろん同じ薬物でも、与える影響には個人差があります。たとえば覚醒剤とヘロインは、そもそも薬理作用が異なり、人体に及ぼす影響も異なります。
同じようにタバコやアルコールも、それぞれ人体に与える効果が異なります。
“依存症”という状態は、身体的や精神的な理由で あるものを辞められないという状態です。身体的な依存は、その薬物を摂取しないと、心拍数や血圧など身体に影響が出るために、薬物を使い続けることです。精神的依存とは、薬物を摂取しないことを精神的に耐えられない、どうしても薬物を欲してしまう気持ちを自分で抑えられない状態です。
多くの臨床研究によって分かってきたことは、様々な依存症の患者さんでは、脳の中にあるグリア細胞という神経細胞の周りにある細胞が異常に活性化されているということです。どうも色々なもの ~薬物やアルコール、タバコなど~ に対する“辞めたいのに辞められないという状態”に一様に関与しているのが、このグリア細胞の活性化ということが知られてきました。
MN-166には異常に活性化しているグリア細胞を抑える働きがあります。よって、各々の薬物やアルコールなどの働きを個別に翻したりするのではなく、活性グリアを抑制するという働きで様々な異なる依存症に効果があると考えられています。
2014年8月19日に発表したコロンビア大学の中間解析では、麻薬中毒患者さんがMN-166を服用しているとタバコを渇望する欲求を抑えるという結果が明らかになりました。タバコ依存症でも効果があるかもしれません。危険ドラッグと呼ばれる薬物には、いろいろな種類があるようですが、覚醒剤や麻薬などに似たような働きのドラッグに依存する状態になっている場合には グリア細胞が関与している可能性が高く、MN-166が効果があることは大いに考えられます。
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