A: こんにちは。チーフ・メディカル・オフィサーの松田和子です。
9/20からカナダで行われた第18回国際呼吸器線維症学会に出席してまいりました。
この学会は、呼吸器線維症だけに特化した国際学会で、学術発表は原因不明のIPF(特発性肺線維症)に関与する演題がほとんどでした。基礎研究結果、トランスレーショナル研究(基礎と臨床の橋渡しになるような研究)、臨床治験や臨床研究の報告などが行われましたが、臨床医や研究者だけを対象としたメディカルミーティングと異なるのは、実際に肺線維症に罹患されている患者さん、患者支援団体のメンバー、治験コーディネーターも多く参加しており、「この治療の難しい、進行性で致死的な病気をどうやって克服することが出来るか」を包括的に、国際的に話し合う学会だったという点です。
私は6/12に開示したプレスリリースでも説明しておりますように、ブレオマイシン誘導性肺線維症マウスモデルを用いて、MN-001の効果を調べた研究結果を9/23に発表いたしましたが、論文提出を控えていますので、詳細データについては、論文が発表された際に何らかの形で皆様にもお伝えすることとさせていただきます。
学会期間中には、KOL(Key Opinion Leader:治療指針に影響力を持った医師、または医学専門家)と情報を交わしました。当社はこの分野では「新参者」ですが、マウスモデルにおいて、線維症スコアと肺組織ヒドロキシプロリン量の両方の評価項目で有意な改善を見せた化合物はほとんど無いと評価していただけました。多くの化合物は、線維化スコアの改善だけ、また遺伝子発現のレベルでの改善が多い中、MN-001では組織レベルの2つの評価項目で有意な改善があったことは高く評価していただけたようです。また、既に600人以上に投与されていて安全性のデータが蓄積されていることも、開発の上ではポジティブな要因とのことでした。
ALSでのアイス・バケット・チャレンジが、話題を呼びましたが、IPFという病気を広く理解していただけるようにと、こちらも違う啓蒙運動として、「Just Blue it UP or Pay it up!」というものがあるようです。詳細はこちらをご覧下さい。
余談ですが、IPFの研究・治療の貢献者を表彰するセッションで、座長から表彰者に全員青いウイッグをつけるように呼びかけがありました。治療薬を開発している企業の人も参加して…特に女性が少ない!ということで、嫌がる私を無理やり押し出し、私も青い髪をつけているのが、この写真です。
判りづらいですが、下は本人も兄弟も親戚もIPFでご自身がドクターという方がお話をしている時の写真です。