ありがとうございました
東京での講演会の後、ロスアンジェルスに直行。現地時間で17日午前11時にロス到着。ただちにサンディエゴへ。午後3時からの臨時株主総会の議長をつとめ、多くの株主さんのサポートをいただき、おかげさまで本日の臨時株主総会でAvigen社との合併が承認されました。応援していただいた株主の皆さんに心よりお礼申し上げます。
弊社ではMN-166と呼ばれているプログラムは、日本ではケタス(一般名Ibudilast)というブランド名で販売されている薬です。日本以外では発売されておりません。大阪大学、東北大学、北海道大学などで行われた研究から、 MN-166は多発性硬化症に効果があるのではということで弊社が米国で開発を進めて参りました。ヨーロッパで行われた臨床治験でもその効用が認められ大きな期待をもってグローバルな展開を模索していた矢先に Avigen社 でAV411と呼ばれていたプログラムとバッティングしていたことが判明。とはいえ、この素晴らしい薬を世界中の患者さんに提供するためには、なんとかしなければいけませんでした。ですからどうしても両社が一緒になることが必要でした。
MN-166に神経保護作用があることは、以前より日本の研究者によって指摘されておりました。ヨーロッパで行われた私たちの多発性硬化症の治験はそのことを実証しました(MN-166に神経保護作用があることの詳細はこの分野ではそれなりに権威ある雑誌、Neurologyに掲載されますので参考にしてください)。そして Avigen社のAV411の治験成績が、期せずして MN-166に神経保護作用があることをサポートすることとなり二つのプログラムのベクトルの方向が決まりました。
弊社のMN-166は多発性硬化症をターゲットとしておりますが、Avigen社のAV411は疼痛治療、および薬物中毒の治療をターゲットとしております。今後はアルツハイマー病、パーキンソン病など幅広い神経性疾患に適応されることが予想されます。
ということで、私たちが Avigen社との合併を模索していた理由がおわかりいただけたと思います。1年間はたしかに長かったのですが、すばらしい薬を必要としている患者さんに提供するためには越えなければならなかったハードルでした。
おかげさまで今日ハードルを越えました。これからはゴールを目指してホームストレッチです。
ますますの応援をお願いいたします。
岩城裕一