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« まだまだ暑い日々が続いていますね | メディシノバ ブログ TOP | MN-221-CL-007の治験結果が発表になりました »

今年も最後の月になりました

2011/12/05

この時期の挨拶としては、あまりに月並みなセリフで能が無いのですが、今年もあっという間に時間が過ぎ、気付いたら今年最後の月になってしまいました。前回のブログが8月でしたから、またしても随分と間が開いてしまったのですが、プレスリリースでの発表前に余計なことをブログに書くのでは?と厳しくチェックを入れられ、アップする前に弁護士に見せなきゃダメ云々、、と言われる状況が続いたもので、この3か月の間は自粛させて頂きました。なかなか会社の活動状況を報告出来ず、このブログを読んでくださっている方々には大変申し訳なく思っていました。

皆さんもプレスリリースや株主通信でご存じの通り、この3か月の間には、中国の浙江省の製薬会社のZMCとの合弁会社設立が中国商務部に承認された事、MN-221のそもそもの開発会社であるキッセイ薬品さんからMN-221の開発資金としての資本投入(新株発行という形で)が完了し、ビジネス面でも大きな局面がありました。

また臨床開発の方でも、MN-221-CL-007治験(現在進行中の救急部での喘息急性発作を対象にした治験のことです)の患者登録、MN-166での新しい適応症候補になる“薬剤誘発生頭痛”(鎮痛剤などの過剰投与に起因する頭痛)を対象とするオーストラリアの神経ドクターとの共同治験準備、MN-221でのCOPD (慢性閉塞性肺疾患:通称タバコ病)を対象として新たな治験の準備も順調に進んでいます。

次回のCOPDでの治験は、いくつかのハイライトがあります。長い喫煙歴が特徴であるCOPDの患者さんは他にも慢性疾患を患っていることが多く、その多くは長い喫煙歴と強く関係がある高血圧とか心不全、他にも年配者に良くみられる糖尿病や高脂血症といった病気です。従って、このような他の慢性疾患(注:但し、服薬にてきちんとコントロールされている)があり他にもいくつかお薬を服用している方達を対象にし、そのような患者さんにMN-221を投与した場合の安全性忍容性を確認する事がハイライトの一つ目です。次の特徴としては、投薬回数が1度きりではなく、1日2回の投薬を数日間行います。これはそもそもCOPDの急性増悪の場合には喘息急性増悪発作に比べ、入院治療となるケースが多く、その治療日数も喘息の場合に比べて平均して数日は長いというデータに基づいています。臨床現場のドクターにリサーチした所、COPD患者さんの場合はMN-221を1日2回、数日間使うというシナリオが一番考えられる、、という事でした。

今までの喘息とCOPDを対象にしたフェーズ1,2治験の安全性データ、PK/PDデータに基づいてプロトコールを立案し、9月初旬にFDA宛て提出しました。通常、プロトコール内容に懸念や質問がある場合、プロトコール受け取り後30日以内にFDAから連絡が入るのですが、無事30日をクリア。既に治験サイトの選定も、治験責任医師の選定も完了しています。現在は、CRO(治験委託会社)やベンダー(心電図モニター器具やデータ解析をお願いする会社、肺機能試験用の器具やデータ解析する会社など治験に関わるその他の業者さん)と最終的な打ち合わせを行っている所です。

この治験はキッセイ薬品さんから投入して頂いた資金を開発資金に充てるのですから、キッセイ薬品の開発関連の方達とも密に連絡を取り合いながら、準備を進めています。海と時差を隔てたテレカンファレンスもお互い日本語だと随分と楽です。私はアメリカ生活がそれなりに長いのにも拘らず、英語でのテレカンファレンスは大の苦手。相手の顔の表情やボディ・ランゲージが見えない“声”だけでのコミュニケーションは本当に難しいですから。でもキッセイの皆さんに「お互い、出来るだけ英語を使ってコミュニケーションしましょう!」と持ちかけたのに、約束を真っ先に破って日本語でメールやテレコンをする私、、、ちょっと反省していす、、、。 

今週はMN-221以外のパイプラインの会議やIR活動で日本へ行きます。水曜日にはキッセイ薬品さんとのface to faceの会議もあります。キッセイ薬品さんからの開発資金のお蔭で、安心してMN-221の開発を進めて行くことが出来ることをとても感謝しています。

松田和子