アメリカ神経学会総会@トロント ~1~
久々にサンディエゴのオフィスに来ています。3月末の東京出張からアメリカに戻った後あちこち出張続きでした。トロントでの学会の後もサンディエゴオフィスに居たのは2日間。すぐに出張で、昨日ようやく自宅に戻りました。何だか時間が経ってしまいましたが、今回のブログではトロントでのアメリカ神経学会の報告をしたいと思います。
今回の学会はCSO (チーフ・サイエンス・オフィサー)のカーク・ジョンソンと事業開発のシニアコンサルタントのマイケル・コフィーと私の3人で参加しました。初日のメインイベントは、あのDr.
Foxとのミーティングでした。Neurology誌のエディトリアルコメントを書く位ですから、貫禄のある年配のドクターかと想像していたのですが 実際はずっと若いドクターでビックリ。神経科ドクターは物静かで思慮深い感じの落ち着いた人が多いという印象を持っていたのですが、Dr. Foxはとてもエネルギッシュで快活な方でした。彼はミーティングの間中、多発性硬化症の治療、新薬の治験、患者さんの治療に対する効果対リスク評価の解析など自分の研究テーマについて、そしてMN-166への期待を熱っぽく語ってくれました。特にMN-166の今後の開発プラン、例えば治験デザイン、コンビネーションセラピーの方法、エンドポイントなどに対する非常に具体的なアドバイスを下さいました。また、治験に強く興味を持つ他の機関との橋渡し等、 最後は「どんな協力も惜しまないので僕に出来ることがあればいつでも連絡して下さい」と。
臨床医として働いていた頃は、学会というと口頭/ポスター発表や教育セッションやセミナーに出席して知識をアップデートするというものでした。しかし、製薬会社に勤める現在は、学会とはそれだけでは無いのです。こういう学会は“その業界の人々”一同が会するgood opportunityです。お互いに効率よくミーティングをセットアップ出来る事は、こんな良い機会はそうそうありません!という訳で、翌日からブレクファスト・ミーティングからディナー・ミーティングまで連日スケジュールがびっしりと詰まっています。ある1日は学会場すぐ横のホテルのカフェに1日4回違う相手と行きました。最後は手持ちの名刺が尽きてしまいました。
ビジネストークだけでなく、多発性硬化症の専門家とのミーティングも大事です。MN-166のフェーズ2治験で化学諮問委員会(SAB)を努めた3名のドクターに新たに国立衛生研究所(NIH)の神経専門家を加えたKey opinion leader (KOL)達との会合もありました。KOL達も我々やDr. Foxと同じ意見であることを再確認。また、KOL達と会談して、改めて多発性硬化症という病気の複雑さ、原因/診断/治療全ての面においてのダイナミックさというものを感じ入りました。数年前に定説だった事が正しいとは限らない、、という意味では、大御所と言われる人たちも常にオープンマインドで知識をブラッシュアップしていなければいけないという事です。
以下 次回に続く、、、、、、
松田和子