MediciNova
メディシノバブログ
最新の投稿
カレンダー
2012年 10 月
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31
アーカイブ
プロフィール
岩城裕一
代表取締役社長兼CEO
(最高経営責任者)
岡島正恒
東京事務所代表、副社長
松田和子
医薬担当、副社長

« MN-029について | メディシノバ ブログ TOP | サンクスギビング ウィーク »

CHEST Meeting

2010/11/13

今回のブログでは前回に引き続き、MN-029の続きについて話す予定でしたが、先週カナダ バンクバーで行われたAmerican Lung Association (アメリカ呼吸器疾患学会)の総会で、私達がMN-221について7つの演題でポスター発表したことについての報告をしたいと思います。

実はギリギリまで私はこの学会への出席が確定していませんでした。この学会の前後のスケジュールでアメリカ国外でのビジネス・デベロップの出張が入っていた上に、007治験のサイト訪問も予定されていたので、学会に参加出来るかどうか微妙だったのです。と、言うと「何?!学会にいくつも演題を申し込んでおいて、出席できるかどうかはっきりしないなんて、どういう事だ!!」と憤慨されるかも知れませんが、、、、、、実は色々訳があるのです。

この学会は呼吸器疾患のドクターにとっては、世界最大規模の学会で、American Lung Associationの総会と言いつつも、アメリカ・カナダなどの北米だけでなくヨーロッパ、アジア諸国のドクターが多数参加する大規模な国際的な学会です。が、何故か、この学会では「会社に所属する者が演者になってはいけない」という規定があるのでした。(不思議!)

つまり私はMD(メディカル・ドクター)であっても、会社の人間である以上、原則的には、学会でプレゼンテーションが出来ないという事。ただ、このことは、あらかじめ分かっていましたから、共同演者である筆頭治験担当ドクターにプレゼンテーションをお願いしていたのです。とは言え、やはり、自分の目で聴衆の反応は絶対見たいし、必要があればドクター達からの質問には是非、是非、私自身が答えたいと考えていたので、何とかスケジュールを調節して学会に参加出来たのは、本当に有難いことでした。

と、前置きがやや長くなりました。が、本題です。11月2日の喘息のセッションでは5つの演目についてポスター発表がありました。動物モデル(ビーグル犬)での実験、薬物動態・代謝の実験の他、3つの臨床治験の合計5つの結果についての発表でした。聴衆の方にとって、

動物モデルの実験‐>薬物動態・代謝結果->004治験結果‐>005治験結果->006治験結果

という順にポスターを閲覧していくとMN-221について良く理解できるようなセッティングになっていました!私は結局、何食わぬ顔をしてプレゼンテーションも行い、聴衆の方々の質問にも答えました。

あらかじめ学会抄録を読んでMN-221について知りたいとやって来たというドクターもいれば、学会場でポスターを目にし、“面白そう!”立ち寄るドクターも。皆さん、「MN-221ってどんな薬??」という風に始まり、最後は、「この薬はいつ市場に出るの??2012年2013年??」と具体的に聞かれるというパターンでした。やはり、臨床現場で日々患者さんを診療しているドクターにとっては、MN-221についてのβ2に対する選択性の高さやβ1・β2のpartial/full agonistについてのメカニズムがどれだけ臨床現場で意味を持つか??という事に関心があるようでした。 

学会中に筆頭治験ドクター達と朝食を食べながらミーティングを行いました。まさか朝早くから、そこまで真剣に話し合いはしないだろう、、と高をくくっていた(だって時差ボケだった)私は、もうびっくり!朝早くから2時間半も!!006治験、010治験、の筆頭治験ドクターと007治験においての今の所の2番目筆頭治験ドクターらが集まっていますから(皆さん良い意味でMN-221の信望者として互いにライバル意識があるので)それはもう喧々諤々のプロダクティブな話し合いでした。私は急遽しっかり目を覚まし、関連論文2つを提示しドクター達と話し合い、大変有意義(過ぎる?)朝食ミーティングでした。(ふーっ)

翌日はCOPD (慢性閉塞性肺疾患=通称タバコ病)のセッションで2つの演題を発表しました。そうすると、前日の聴衆がきちんと戻って来て、喘息と比べCOPDでの効果や安全性について質問がありました。やはり、皆さん臨床家ですから、効果と安全性で納得出来ると次の質問は前日同様に「この薬はいつ現場で使えるようになるの?」、、、、、うーん本当に007治験を頑張らなければ!と責任を痛感しました。

実はバンクーバー空港では当局の勘違いで3時間以上も移民局に拘束された私、、、、、、。二度とカナダなんか来るものか!!と当初、憤慨していたのですが、学会での反応に、やはり来てよかった、、と思い直す、単純思考の私なのでした。

松田 和子