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プロフィール
岩城裕一 岩城裕一

メディシノバ
代表取締役社長兼CEO
(最高経営責任者)
南カリフォルニア大学医学部泌尿器科学、外科学、病理学教授。1992年より移植免疫学・免疫遺伝学研究室ディレクター。取締役会長として創業設立より事業開発、資金調達等、事業全体の統括を支援。詳しくはこちら>>

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こんにちは

2007年7 月27日

日本は今頃、参議院選挙活動の最後の追い込み真最中でしょう。

私も先週末に在外投票をLAのリトル東京で済ませました。翌日の月曜の夜に東海岸へ向けて出発し、今週は連日東海岸で機関投資家訪問をこなしています。我々のMN221MN166は特に評価が高く、大きな手応えがあり嬉しい限り。

さて昨日、丁度NYからボストンへ移動する際に空港ロビーでネットの読売新聞報道でみたのが多発性硬化症に対するIFNβ(インターフェロンβ)の副作用に関する記事。決定的な治療薬が無い多発性硬化症において、現在一番効くと言われるIFNだが一部の患者さんに対しむしろ症状を悪化させてしまった懸念があり調査を開始したという内容であった。新聞報道を読んだだけで詳細がわからないため憶測だけで意見を言うのは控えるべきだとも思うが、実はアメリカやヨーロッパでも似たような事例が報告されている。もし本当にそうだとしたら、患者さんには大変辛い事だろう。

IFNは多発性硬化症の治療に限らずウイルス性肝炎の治療に使われたり重症の感染症でも使用される事があるが、確かに人によっては強い副作用があることが良く知られている。副作用のためにやむなく治療を中途断念する患者さんも多くいらっしゃって、そこがIFN治療の一番のネックでもあった。

こういう話を聞くと尚更、頑張ってMN-166を世の中に出さねば!と思いを強くする。

次回のブログではMN-166に対する多発性硬化症専門家からの評価をご紹介します。

岩城裕一 出張先のNYにて

物忘れ

2007年7 月 2日

最近、物忘れをすることが多い。何か忘れていることは認識するのだがそれが何なのか思い出せない時には、自分に対して惨めを感じることも少なくない。そんなとき、人は、これだけ忙しいのだから仕方ないでしょうと慰めてくれるのだが、どうも最近の物忘れは忙しいことばかりが原因でないように思えるから自分の中では合点が行かない。まあ、漢字的に言えば、「忙しい」も「こころが亡い」ということであり、「忘れる」も「心が亡い」ということだから、「忙しいときに何かを忘れること」は理屈であり、人の慰めの言葉 にはそれなりの同情と理解があるようではあるが…。

 今週、2泊4日の強行軍で訪日しました。そのときに乗り合わせたタクシーに携帯電話を忘れるという事件を起こしてしまいました。大事件です。岩城裕一君の大本営は携帯電話ですから、自分の携帯電話が手元にないというのは本当に大事件です。

 時は、6月24日、日曜日の夜の9時。ポケットの中に電話がないことに気づき 愕然となる。最後に利用したのは?それからの足取りは?思案、思案そしてまた思案。どうもタクシーの中に忘れた可能性が高いと想定。660円といえどもタクシーの領収書を貰っていたことは不幸中の幸い。よし、タクシー会社に連絡しよう。ところが、電話をかけようにも公衆電話が近くにない。これって、ちょっとしたパニック状態。とにかく電話のアクセスを確保するのが先決と思いオフィスに引き返すが、その途中、本当にタクシーの中に忘れたのかどうかさえ不安になる。

さて、領収書をたよりにタクシー会社に事情を説明。携帯電話に忘れ物はよくあるのでしょう。タクシー会社の人の対応は実になれたもの。

「運転手に連絡し探しますのでしばらくお待ちください。いずれにしましても当方から連絡を入れます。」

それから待つこと約20分。本当に長い20分。

「お客さん、見つかりました。お乗りいただいたタクシーは実車中でなかなか連絡が取れずにすみません。 車は、今、吉祥寺におりますが、どちらへお届けすればよろしいでしょうか。」

「とんでもございません。忘れたのは私ですので私がとりに伺います。」

「このままタクシーで走った方が速いですから場所を指定してください。」

「それでは、恐縮ですが西新橋までお届けいただけますか。もちろんメーターをつけてお越しになるようにご指示のほどお願いします。」

それから、さらに20分ほど。

「お忘れの携帯をお届けに参りました。」

「ありがとうございます。本当にありがとうございます。それで、おいくらでしょうか。」

「とんでもございません。お客さまが降りられるときに、忘れ物を確認しなかった私の責任ですから、こんなことでお金をいただくわけには参りません。」

「それはないですよ。私が携帯を忘れたために、お客さんなしで、こんなにも遠くまで戻ってきていただくことになったのですから。」

「とんでもございません。」

「それはだめです。」

押し問答がしばらく続いたすえ、とうとう私が折れました。

「わかりました。では私を宿まで乗せていただけますか」

そして、降車のとき、

「ありがとうございました。ところで領収書いただけますか。」

660円の領収書が私の宝物になりました。

運転手さんありがとう。お言葉、「お客さまが降りられるときに、忘れ物を確認しなかった私の責任です。」まだジーンときています。

ほんとうにありがとうございました。

物忘れのおかげで、いい勉強をさせてもらいました。

2007年6月30日

岩城裕一

 

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