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浙江医薬(ZMC)との合弁会社設立について

2011/03/08

皆さん、こんにちは。長い出張から久し振りにカリフォルニアに戻って来ました。

今回は2週間でアメリカ→日本→東欧→日本→中国→日本→アメリカと移動だったので実際よりも長く出張に出ていた感じがします。日本出発にすると飛行機代がずっと安いのでこういうスケジュールに。そこで戻るついでに日本でもいくつかの会議を終えてきました。

プレスリリース、岡島代表からのブログでもお知らせの通り、今回私達は中国のZMCと合弁企業設立に基本合意しました。

中国やインドなど昔は後進国とも思われていた国々が色々な分野で台頭してきている事は皆さんもよくご存じかと思います。早速そこに目を付けて動き出した岩城社長の命を受け、私が初めて中国の浙江省の会社を訪れたのが昨年の9月。当初はMN-029 に興味があるいくつかの会社を訪問して説明するという事で、急遽MN-029の競合開発薬やマーケットなどについて色々とリサーチしました。

最初の訪問で訪れたのがZMC傘下の浙江省新昌製薬。一緒に行くはずだった岡島代表が急な会議で当日突然の渡航出来なくなり、心細く一人で中国に向うことに。通訳、コーディネーターの方含め当方は合計たった3人。対してZMC側はトップの理事長も含め全部で十数名。プレゼンテーションの時間はたっぷり午後に4時間も取って下さったのは大変有難かったのですが、英語‐日本語‐中国で通訳しながら説明しても一人MN-029の話題だけでは4時間も持ちません。「どうしよう!、、」と焦って、突如、MN-221の話を付け加えて話す事にしました。最初は単に、MN-221の治験の話などをする事でメディシノバをよく理解して頂けるだろうと思ったのと、MN-221の話だったら切迫早産から喘息急性発作に開発適応を変えた経緯、007治験の苦労話などいくらでも話す事はあり“間”を持たせる事も出来るだろう、、と思ったからです。

ところが、ZMCメンバーの一人が酷い喘息持ちだという事で理事長が「お前に必要な薬だ!」などと盛り上がり、また当時私自身が咳喘息の症状が出ている状態でゼーゼー咳き込みながらプレゼンをしたので、「自分の体を張ってMN-221の必要性を説明するドクター!」など褒められ(?)最後はMN-221に一番興味を持って頂く結果になりました。中国の大都市は光化学スモッグや黄砂のためか空気汚染が酷いのです。喘息患者さんにはかなりつらい環境です。また成人喫煙率が非常に高く、COPDも大きな医療問題です。間違いなく喘息・COPDの患者は日本、アメリカ以上に多く、このような薬の必要性はずっと大きいと断言出来ます。

数週間後には今度は岡島代表と2人で中国に向いました。

ZMCメンバーも浙江省から北京まで出向いて下さり2回目の会合。そこからは、私達が他の中国の会社を訪問するのもままならない程のびっくりするぐらいのスピードで話が進んで行きました。どういう形で協力開発するのがお互いに一番良いか?を中国FDA事情や中国医薬品市場の背景をリサーチしながら岡島代表が中心になって交渉を進めて来ました。

岡島代表と私のスケジュールをなんとか調整して、会合や調査に中国に飛んではトンボ返りということを昨年は何度か繰り返していましたが、やっと皆さんにお話しでき、ホッとしています。多分、ZMCの皆さんも同じような考えなのでしょう。この薬のニーズの大きさを感じるからこそ、とても積極的にスピーディに動いて下さったのだと思います。調印式の後の懇親会ディナーでの出来事なのですが、ふとあちらの幹部の方が口を滑らせて、「実は、SFDAで働いていたツテを頼ってMN-221についてはアメリカのFDAに問い合わせてみた。結果私達は、大変この薬に確信を持っている、、」と。彼らの研究熱心さとリサーチ力には舌を巻いてしまいます。こちらがお渡しした全ての資料をとても詳しく読み込んでいただけでなく、アメリカのFDAにも問い合わせていたなんて!

スタート地点に立ったばかり。まずはMN-221をしっかりと、そしてMN-221だけでなく他のプロジェクトも益々充実させていく思いでこれからも頑張ります。

 

松田 和子