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岩城裕一 岩城裕一

メディシノバ
代表取締役社長兼CEO
(最高経営責任者)
南カリフォルニア大学医学部泌尿器科学、外科学、病理学教授。1992年より移植免疫学・免疫遺伝学研究室ディレクター。取締役会長として創業設立より事業開発、資金調達等、事業全体の統括を支援。詳しくはこちら>>

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喘息のお薬

2006年9 月 1日

喘息のお薬

皆さんのご家族やお知り合いの方に喘息持ちという方は結構いるのではないでしょうか?

年に数回、風邪をひいた時に症状を現すという軽い程度の方もいれば毎日予防薬を使わなくてはいけない人まで程度は様々ですが、基本的には気道が狭くなったり咳き込んだりするなどの症状が続き呼吸が苦しくなるのが特徴です。

うまくコントロールされているときはさほど重症な感じがしませんが、一旦発作が起きてしまうと生死に関る病気です。

我社のプロジェクトには喘息のお薬が2つあります。MN001とMN221です。MN001の方は毎日使用するのが目的の予防用で、MN221は急性発作の時に使うお薬です。

アメリカでの喘息急性発作の治療は現在は吸入薬が基本です。一方日本ではテオフィリンという、いまや他の先進国では使われなくなった古いお薬がまだ使われているようです。

それでも欧米のガイドラインに準じて吸入薬の使用も以前より普及しているようですね

さてこの吸入薬、手軽なようで少々困ることがあるのです。まず効き目が現れるのに15分程度かかること。呼吸に苦しんでいる発作中の患者さんには数分でも長い長い、本当に長い時間ですのに15分というのは非常に辛い思いをするわけです。

そしてもう一つの難点は、実際に体に入った薬用量が正確に分らないこと。

上手く吸い込んでいるようでいても実際には気道や気管支には届かずに胃の中に入ってしまったり、吸入している室内の空気にそのまま紛れていってしまっている分がかなりおおいのです。効き目が現れないといって、繰り返し吸入をし続けると過剰投与になり、危険な副作用が現れてしまいます。実際日本でも過去に吸入薬の副作用で幼い小児患者さんが不幸にもなくなってしまう事故がありました。

我々が開発を進めている221は静脈内に注射・点滴するタイプの発作薬です。重症な患者さんにとっては吸入薬よりすぐに効くだろうということと、うまく吸入が出来ない小児や高齢者の患者さんには確実に適用量を体内に届けられるという事が期待されています。

先進国といわれている日本でも、喘息発作で不幸にも命を落としている方は毎年4000人以上もいらっしゃいます。アメリカでも毎年5000人もの患者さんが喘息発作で命を落としております。

このような不幸をなくするために、出来るだけ早く喘息の治療薬を世の中に出すのが私たちの使命です。

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